指輪のデザイン・素材を選ぶコツ

指輪のデザイン・素材を選ぶコツ

指輪の各部位の名称を知っておこう

まずは、指輪の各部位の名称をおさらいしましょう。部位の名前を知っておくと、パートナーと会話するときにも認識を擦り合わせ安いですし、Webやショップで検討するときにもスムーズです。

中石(なかいし/センターストーン)

リングの真ん中についている、メインとなる宝石のことです。ダイヤモンドが主流ですが、それ以外の宝石を設置することも可能です。

脇石(わきいし/サイドストーン)

センターストーンの横にある比較的小さな宝石のことです。
小さな宝石がセンターストーンの周りをぐるりと囲むデザインを「取り巻き」や「ヘイロー(後光)」と呼びます。

石座(いしざ/ベゼル)

宝石を支える台座のこと。英語ではベゼルと言い、フランス語ではシャトンと言います。

爪(つめ/プロング)

宝石を留めている細い金属のこと。爪の数は4本か6本がスタンダードです。

腕(うで/アーム)

金属の輪の部分のことです。石部分に向かってアームを細くし、センターストーンを強調するデザインもありますが、これを「絞り腕」と呼ぶこともあります。

肩(かた/ショルダー)

石座とアームをつなぐ部分のことです。

アームの基本的なデザイン

リングの印象を決めるのは、アームのデザインとダイヤモンドです。
ここでは、アームの基本的なデザインである「ストレート」「S字型(ウェーブ)」「V字型」について紹介します。

ストレート

アームが一直線になった、もっとも基本的なデザイン。アームがまっすぐでシンプルなデザインなので、いろんなファッションや他の指輪と合わせやすいのが魅力です。結婚指輪をストレートにする場合、婚約指輪との重ね付けもしやすくなります。

太めだとどっしりとしたデザインに、細めだと軽やかなデザインに。

S字型(ウェーブ)

アームがゆるいウェーブを描くようなデザインをしています。ストレートよりは華奢な印象を与えるデザインです。

正面がS字型で、後ろの方はストレートというデザインになることが多く、くるりと半周させたらストレートとしても楽しめます。見る角度によって表情が変わるので、飽きのこないデザインともいえるでしょう。

V字型

アームが中央に向かってV字型を描くデザイン。Vのラインが指を長く見せてくれて、大人っぽくシャープな印象を与えてくれます。

個性的な形なので、重ね付けをするとぐんとおしゃれに。手元のおしゃれを楽しみたい人にも向いています。

アームの形状

アームの基本的なデザインは上記の通りですが、アームの表面の加工・形状にも差があります。

シンプルな指輪であるほど、指輪の加工・形状で印象が変わるもの。リングを選ぶ際には、こういった加工部分にも注目してみてください。

甲丸(こうまる)

アームがゆるやかなカーブを描いているデザイン。断面を見ると、かまぼこのような半月状になっています。

すらりとした印象になりやすく、結婚指輪として昔から定番の形状です。
ゆるやかなカーブによって付け心地がよいのも特徴。指輪の形状を問わず、薬指に当たる裏側に「内甲丸」という加工ができます。

平打ち

平打ちは、指輪の表面がフラットに加工されており、角のあるデザインをしています。ごつごつした手や大きな手にも馴染みやすいでしょう。また、幅が広くなるので、模様の入ったデザインにも対応できます。

エッジがあるので指輪の大きさや手の形によっては、指触りに違和感を覚えたり、痛みを感じたりすることも。
オーダーの場合には、付け心地を念入りにチェックし、角を落とすか内甲丸にできないか確認するのがよいでしょう。また、幅が広くなるので、模様の入ったデザインにも対応できます。

平甲丸(ひらこうまる)

甲丸のようにゆるやかな曲線を描くのではなく、角だけを丸くしたデザイン。甲丸と平打ちのちょうど中間のような形をしています。
甲丸だと華奢過ぎるが、平打ちだとエッジが効きすぎているという人にぴったり。

逆甲丸(ぎゃくこうまる)

甲丸とは対照的に、内側がくぼんだようなデザインをしています。
逆甲丸に対応しているブランドは少ないですが、シンプルながらオリジナリティが出るデザインです。

剣腕

断面が三角形になっているデザイン。昔からあるデザインではあるものの、山なりにスッと伸びるシャープなフォルムとなめらかな曲線が同居しており、柔らかすぎず尖り過ぎない、バランスの取れた雰囲気があります。

石のセッティング

リングに欠かせないもう1つの要素は「宝石」。とりわけ主役として用いられることが多いのはダイヤモンドです。

ソリティア(ソリテール)

ソリティアは、一粒のダイヤだけをあしらうデザインの指輪。「婚約指輪」と聞けば誰もがイメージするような、結婚指輪の代名詞のような存在です。

フランス語の「単独(ソリテール)」からその名がつけられており、そのまま「ソリテール」と呼ばれることも。

ダイヤモンドと石座を「爪(立て爪)」で固定する爪ありタイプと、アームに埋め込むような形で固定する爪なしタイプに分かれます。

爪ありは豪奢な印象を与えるので、慶事の場やフォーマルの場にもピッタリ。
爪なしはリングに埋め込まれる形で配置されているぶん、ダイヤを引っかける心配がなく、普段使いがしやすい指輪です。

メレ

フランス語で「小さな」という意味を持つメレは、その名の通り小さいダイヤモンドのことです。サイズについて明確な定義はありませんが、基本的に0.1カラット以下からメレと呼ばれることがあります。

また、ダイヤモンド以外にも、メレサイズの石が使われることがあります。
センターストーンの脇に配置して引き立てたり、リングの裏側に誕生石を埋め込んだり、パヴェリングやエタニティリングにもよく使われます。

パヴェ

パヴェとはフランス語で「石畳」という意味を持ちます。小粒(メレ)ダイヤをアームに敷きつめたデザインが石畳に見えることから、その名がつけられています。

パヴェに使われる石はダイヤモンドとは限らず、複数の石を使ったり、自分やパートナーの誕生石を組み込んでみたりといった組み合わせも楽しめます。

華やかで上品な輝きが魅力ですが、たくさんの石を爪で留めているので、繊細に扱う必要はあります。

エタニティ

同じ大きさのダイヤモンドを、アームの表面に対して一列に配置するデザイン。
エタニティ(永遠)という名前が付けられているのは、アームの全周をぐるりとダイヤが囲み、途切れることなく並んでいるのが永遠を象徴しているように見えるから。

このため、「永遠の愛」を意味するリングとして、結婚指輪だけを購入する際のリングや、節目となる結婚記念の贈り物としても人気です。

リングの素材

婚約指輪・結婚指輪の素材といえばプラチナかゴールドが定番ですが、それ以外にもさまざまな種類の金属をリングに使用できます。ここでは、婚約指輪・結婚指輪に使われている素材についてご紹介します。

また、「コンビネーション」という、異なる2つの素材を合わせた贅沢なリングもあります。プラチナ+ゴールドが多いですが、中にはジルコニウム+ゴールドという珍しい組み合わせも。派手なリングが欲しい人、人とは違うリングが欲しい人はそちらを検討してもいいかもしれません。

プラチナ

およそ7割の人がプラチナリングを選ぶというほどの定番素材です。白く輝く姿と希少性が、永遠の愛を誓うときの贈り物としてふさわしいと思われたため、日本でも昔から取り入れられてきた素材でもあります。

加工がしやすいうえ、変色もしにくいので、ジュエリーにぴったりの素材。また、プラチナの細工のしやすさによってダイヤモンドをしっかりと固定でき、ダイヤモンドを引き立てる色合いから、婚約指輪にもよく用いられてきました。控えめな輝きで、歳を取っても肌になじみやすいので、ずっと付け続けるスタンダードな指輪を選びたいという人におすすめです。

ゴールド

プラチナの次に選ばれることの多いのがゴールドで、およそ2割の人がゴールドリングを選ぶようです。手元をぱっと明るくしてくれる華やかな色ですが、ゴールドだけだと柔らかすぎて、傷ついたり変形したりしやすいため、他の金属と混ぜて使われます。結婚指輪であれば、変色・変形しにくいK18(ゴールドの含有量が75%)が一般的です。

他の金属と混ぜて使われることが多い分、混ぜる金属によって色味が変化するのが特徴。銀・銅を混ぜた定番のイエローだけではなく、銀・銅・パラジウムを混ぜたピンク、銀・パラジウムを混ぜたホワイト系のリングもあります。

チタン

チタンはプラチナよりも固い素材で変形しにくく、生体適合性に優れており、金属アレルギーが起こりにくい素材です。医療業界や航空業界に使われる軽くて丈夫な素材ということもあり、実用性の高い指輪が欲しいという人は選択肢に入れてもいいでしょう。チタン族の金属では、「ジルコニウム」と「ハフニウム」も注目されています。

ジルコニウムの特色は「発色」。色鮮やかな虹色のグラデーションの発色を施すことができるので、他の素材では難しい、差し色のある結婚指輪になります。また、その性質上、使い続けると発色が落ちてきますが、メンテナンス時にカラーを復活させたり、カラーチェンジしたりできます。

ハフニウムの発色はロイヤルブルーだけですが、アームのカラーがプラチナに近いので、「金属アレルギーを持っているけれどプラチナのようなリングが欲しい」という人にぴったりです。

タンタル

シックなデザインのリングが欲しいという人は、タンタルを検討してもいいかもしれません。

タンタルは暗い色をしたレアメタルで、銀色がかったグレーをしています。
高度も申し分なく、腐食体制も高く、傷もつきにくいうえ、金属アレルギーを起こしにくいという特徴も。その性質から、人工骨や人工歯(インプラント)にも利用されるほどの素材です。

加工が難しい金属なので、取扱いのあるブランドは多くありませんが、金属アレルギーやアトピーの人はもちろん、オリジナリティのあるリングを探している人にもぴったりです。